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                                                         不  眠  症


                                     
中 医 学 的 解 説


中医学的には、不眠にもいろいろなタイプがあるので、
治療時は四診八剛に基づいて弁証を行なって治療法を決めるのが原則である。

不眠治療は主に安神剤と熄風剤を用いるが証によってはまったく違う処方を用いるときがある。これを同病異治(同じ病気でも、治療法が異なる)といいますが。 大きく分けると、何からの虚(体の衰え、抵抗力の低下)が原因となる場合、実(熱や、痰)が原因となる場合、これらが入り混じった場合があります。

中医学的には、腎は水に相当し、心(心臓や大脳の機能を含む)は火に相当すると考えますが、腎(水)が衰えると、相対的に火の勢力が強くなる。

つまり脳が興奮状態になり眠れなくなると考えます。腎(水)の勢力を強め、心(大脳)の興奮を鎮める代表処方は天王補心丹(てんのうほしんたん)で、不眠治療に良く用いられます。その他、胃腸が弱いタイプの不眠には帰脾湯が、心と、肝の血虚による不眠には、酸棗仁湯錠(さんそうにんとうじょう)が良く用いられます。胸苦しい、恐い夢をみるなどの、痰や熱が原因の実証タイプの不眠には温胆湯(うんたんとう)が適しています。

主に以下のように分類できる。基本的な分類ですので人によってはいろんな証が混ざり合っている場合が多いので中医学専門家と相談することをお勧めします。


実証

@ 肝鬱化火

【症状】不眠、怒りっぽく、食欲がなく、のどが渇いてよく飲む、小便が黄赤、便が硬く、舌赤苔黄

【治療方法】疎肝瀉熱、安神

【処方】竜胆瀉肝湯《監室秘蔵》

A痰熱内犹

【症状】不眠、頭重、痰が多く、胸脇苦悶、嘔気、悪心、めまい、苔膩黄

【治療方法】化痰清熱、和中安神

【処方】温胆湯
 

虚証
@陰虚火旺

【症状】不眠、動悸不安、めまい、耳鳴り、物忘れがひどい、腰痛遺精、手足がほてる、口が渇く、舌赤

【治療方法】滋陰降火、養心安神

【処方】黄連阿キョウ湯、砂安神丸、天王補心丸、柏子養心丸
A心脾両虚

【症状】夢が多く、不眠、動悸、物忘れ、めまい、心身とも疲れやすく、食欲がない、顔色はツヤがない、舌淡、苔白。

【治療方法】補養心脾、気血を補う
【処方】帰脾湯、加味帰脾湯
B心胆気虚

【症状】不眠、夢が多く、よく驚いて目を覚める、物事によく驚く、不安感がつよく、息切れがありよく疲れる、舌淡。

【治療方法】益気鎮驚、安神定志

【処方】安神定志丸、酸棗仁湯

やや虚弱な体質で、神経過敏な方の不眠は、加味逍遙散(かみしょうようさん)、桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)等を使用しますが、加味逍遙散と酸棗仁湯との合方あるいは桂枝加竜骨牡蛎湯と酸棗仁湯との合方というように使用するとより効果的な場合がある。

 体力のある方で、赤ら顔でのぼせたり、イライラして落ち着かない人の不眠には、三黄瀉心湯さんおうしゃしんとう)や黄連解毒湯(おうれんげどくとう)を使用します。

 高齢者の脳動脈硬化症で頭痛を伴う時の不眠には、釣藤散ちょうとうさん)が効果的な場合があります。肺気腫などの慢性閉塞性肺疾患に伴う不眠では、滋陰至宝湯(じいんしほうとう)など使うのが良い。


                                              
西 洋 医 学 的 解 説

西洋医学的不眠の原因(5つのP)

身体的障害     Physical       痛み、かゆみ等の身体的な不調による不眠です
生理的障害       Physiogic      リズムの異常や夜勤シフトなどによる不眠です
心理的障害       Physicologic   ストレス、重大な人生上の変化
精神医学的障害   Phychiatric    うつ病や統合失調症等の精神科疾患による不眠です
薬理学的な障害   Phamalogic     各種の薬物による不眠です